アーモンドフィッシュ

ドラえもん のび太の日本誕生のアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

4.3
Twitterで「ドラえもんの映画で最高傑作は何か」って話題で、フォロワーのみんなは「魔界大冒険」を推してるけど、個人的には「日本誕生」こそが最高だと思うんですよね。

ドラえもんの道具って「いつ使うんだよ、これ」って思うことが多いけど、「日本誕生」に出てくる道具たちは違う。他の作品と比べても群を抜いて魅力的なんです。例えば、大根を植えると、大根の中身がカレーライスやパスタになる道具や、地下水や天然ガスまで直接つないでくれる管とか。キャンプに行くたびに「これ、マジで欲しい!」って思いますよ。

さらに、この作品の教育的な側面も見逃せません。7万年前の日本が中国と陸続きで、ワニやサイが生息していたという事実。このアニメで初めて知ったという人も多いんじゃないでしょうか。さらに「日本人はどこから来たのか」という深遠な問いに対しても、夢のある形で一つの答えを示してくれています。

ドラえもんという作品の核心は、22世紀からやってきた猫型ロボットが現代でオーバーテクノロジーを見せつけること。それが原始時代に持ち込まれたらどうなるか。そう、まさに魔法のように見え、神のような存在になってしまうんです。この点において、敵役のギガゾンビとドラえもんのやっていることは、本質的には変わらないのかもしれません。

原作ではギガゾンビはドラえもんより1世紀先の未来人で、テクノロジーで負けてしまうのですが、アニメではその点が描かれていません。なぜドラえもんが負けたのか、その理由が明確でないのは少々残念でした。

また、後半の展開がやや急ぎ足だったようにも感じます。ギガゾンビとの対決をもう少し丁寧に描いても良かったのではないでしょうか。個人的には、2時間半くらいの長さでも十分に楽しめる内容だったと思います。ただ、これ以上長くすると小さなお子さんが飽きてしまうかもしれません。これが子供向け映画の宿命なのでしょうか。

懐かしさと新鮮さが同居する「日本誕生」。しかし、のび太の行動には首をかしげざるを得ない部分もあります。彼の思いつきで作られたペガ、グリ、ドラコが放置され、2000キロも移動させられ、挙句の果てに空想サファリパークに入れられるのは、あまりにも無責任ではないでしょうかね(笑)ツチダマを生き埋めにするギガゾンビと同じくらい非道に思えてしまいます。

そういえば、子供の頃は怖かったツチダマ。今見返すと、むしろ愛らしく感じられます。時の流れとともに、作品の見え方も変わるものですね

「日本誕生」の魅力は、年を重ねた今も色あせることなく、むしろ深みを増しているように感じます。ドラえもんの映画作品の中で、私にとって特別な存在であり続けるのでしょうね。

ドラえもん映画の中で『日本誕生』は間違いなく最高傑作です。