じゅん

超音ジェット機のじゅんのレビュー・感想・評価

超音ジェット機(1952年製作の映画)
3.0
戦後直後、航空機産業がジェット機で音速に挑んでいたころの、英国版のお話。つまり映画「ライト・スタッフ」のご先祖さま。
いちおうフィクションだが、モデルは明らかにデ・ハビランド社。創業者ジェフリー・デ・ハビランドの愛息ジェフリー・デ・ハビランド・ジュニアが同社のテストパイロットで、かつ試験飛行で事故死している。
とはいえフィクションで、かつ一般向け映画なので、細かいところは割と適当だ。ベノムってイギリスからアルプス超えてエジプトまで飛べるぐらい足が長いっけ? とか、商売敵の機種だけどいいなー と評するコメットはそれこそデ・ハビランド社と大英帝国の誇りじゃないのかい? とか、社運と命をかける超音速テスト機こそ商売敵のスーパーマリンのスイフトじゃ? とか。ソニック・ブームはバーン! じゃなくてバンバーン! だよね。
細かいところはいいや。でも、第一線にいたRAFパイロットがジェットエンジンの音も存在も初耳だとか、音速を超えたら操縦桿を逆操作すればいいんだとか、ストーリーの要諦になる部分でもヘンな流れがある。
でもいいさ。縦横に飛び回る蛇の目ジェット機を堪能しましょう。