特売小説

東京残酷警察の特売小説のレビュー・感想・評価

東京残酷警察(2008年製作の映画)
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特殊造形、残酷描写を見せる事を目的に単調な劇伴に乗せて同じ意味合いの絵面を延々と繰り返すモンタージュシーンが。

物語の進行を止めてまで何度も何度も挿し込まれるじゃないですか、作者特有の悪癖として。

だけどその尺を使って、主人公が心の拠り所にしているバーのママのバックボーンを語っておけばその内容によっては彼女の覚醒イベントでぐっと感情移入が出来たんじゃないかと思うんですよ。

或いは。

物語の背景には過剰で見当違いな抑圧による人心の荒廃した社会情勢が見て取れる、だけどもそれはパロディCMだけでは伝わり難い訳ですからして長刀婦警さんかカッター女子高生か、唐突に説明もなくフィーチャーされていたその二人辺りに具体的なエピソードの形で担わせて描いておけたかと思うんですよ。

そうすりゃ山場のラスボス戦に於いて、立場だけでなく感情的にも対立している構図が際立ってより盛り上がったと思うんですよ。

設定のしっかりした物語があってもこの体たらく、もう短編だけ撮ってりゃいいんじゃないかしらと思いますよねほんとに。

個性的なコスチュームを見事に着こなし印象的な絵面を生み出しているしいなえいひの奮闘もむざむざ台無しですよ全く。

ひたすらに残念な出来。
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