アノ

ゴジラ対メガロのアノのレビュー・感想・評価

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)
4.3
評判悪いんですが、ゴジラ作品では一番好きです。
思うに、本来はもっと硬派な作品にする予定だったのでは?
シートピアが人類を攻撃をする理由が「核実験で被害を受けたから」という初代を踏襲した設定はその名残に思えます。
ちょくちょく児童向けとは思えないカットもあるし。
ジェットジャガー自体、「科学の負の側面によって生み出された存在」ゴジラに対する「科学によって生み出された正義のロボット」であるのでしょう。
しかし何らかの事情で(恐らく東宝上層部の指示)子供向け作品に転換させられたのではないか?その理不尽に対する怒りが、あのラスト(完全な被害者であるシートピアを腕力でねじ伏せて退散させる)に繋がるのではないか?

以上のように書くと不幸な愚作のように思えるが、この捻れがまた新たな魅力を生み出したとも言える。
サスペンスと怪獣プロレスの両立、全体に漂うシュールさと馬鹿馬鹿しさ、
今までの(そしてこれ以降の)ゴジラに無い唯一無二の魅力を備えた『ゴジラ対メガロ』が、私は大好きです。
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