しらすごはん

プリティ・リーグのしらすごはんのレビュー・感想・評価

プリティ・リーグ(1992年製作の映画)
3.8

野球映画の佳品です。

1992年公開、全米女性プロ野球リーグが舞台の異色作。

元カープ高橋慶彦のYouTubeよしひこチャンネルを観ていて、この映画を思い出しました。

久々に観たいと思ったけれど、これもU-NEXTでしか配信されていないのか〜


MLB選手が出征し野球存続の危機が生じたため、1943年から1954年までの短期間だけ、女性全米野球プロリーグが開催されていた。

主人公ドティの回想から物語は始まる。

ドティは、初年の1年間だけ女性プロリーグに参加歴あり。

殿堂入りのセレモニーに招待されるも、女性リーグ発祥地のシカゴ行きを少し躊躇っている。

女性リーグは当時軽んじられ、傷つくことも多かったし、厳しい環境だったから。

ドティは、野球は好きだったけれど、もともとリーグへの参加は乗り気ではなかった。

夫が出征中で、野球どころではない。

妹のキットに半ば騙されるような形で、リーグに参加するも、保守的な価値観や女性蔑視の雰囲気のなか、プレーをしなければならない。

ミニスカートをはかされるは、監督はやる気はないで、散々なスタート。

長距離バス移動で転戦する。

地方興行は本当にしんどい。

子連れで移動しなければならないメンバーもいる。

ただ、困難が降りかかるなか、彼女らの真剣で高い技量のプレーこそが周りをの心をつかんでいく。

「女が野球なんて」とバカにし、呑んだくれていた監督(トムハンクス!)も彼女らに敬意を払うようになる。

主人公にとっても、プロリーグでプレーすることは、かけがえのない体験になっていく。

女性プロリーグ初のワールドシリーズがクライマックス。

夫が復員できたので、ドティは1年でリーグを離脱することになったところで回想は終わる。


ドティが昔の仲間達と再会し、会話をかわす姿を通じて、鑑賞者は女性リーグが野球の輝かしい歴史の一部だったということに気づく。

MLBの代替では決してなかった。

主人公達を困らせていたイタズラ坊主が、けっこうまともな大人になっていたシーンに思わず笑ってしまう。

マドンナも重要な役で出演していました。

主題歌の、「This Used To Be My Playground 」も名曲です。


高橋慶彦氏は、とんがった人物。

現役時代の後半は不遇でした。

コーチになってからも、指導方針の違いから年上の達川氏と取っ組み合いを演じたこともあったほど、熱すぎる人。

よしひこチャンネルでは、揉めていた昔のチームメイトや関係者と対談し、昔話に花を咲かせています。

わだかまりは消え去り、お互いを称え合う姿がみられます。

一生懸命真剣に仕事をしようとしたら、同じチームにいても衝突は避けられないが、時間が経てば互いの思いも分かる。

犬猿の仲だったことで有名な北別府投手とはまだYouTubeでの対談は実現していません(北別府氏が病気療養中のため)。

回復したら、必ず対談することを約束しているとのことです。

どんな話が出るか、今から楽しみです。
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