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紀子の食卓のoden8のレビュー・感想・評価

紀子の食卓(2005年製作の映画)
4.6
あなたがあたなに与えている役割は?

園子温ワールド全開。
この人の描く作品に心酔してしまう。
表現方法は、はっちゃめちゃで過激でいて過劇なのに…僕の心のフィルターで濾過されると物凄く繊細なものに変わる。
人の抱える葛藤や悩みを園子温語で語りかけ園子温タッチで描いてくれ園子温温で温めてくれる。
あぁ…不思議な温もりで心を解放してくれる。

あなたの役割は?僕の役割は?
それは誰かに割り当てられたもの?
それとも自分が自分に課す役目なのだろうか?
そもそも、そんなもの存在するのだろうか?
確かに存在する。
でも、それに囚われてしまうと僕は生き苦しい。
その反面、それに没頭してしまうことで救われることもある。
社会で生きていく以上、全うすべき"役割"も存在するとも感じる。

自分の"役割"は、自分の心で判断し全うできたなら。それ程、幸せなことはないと感じる。

僕としては、人から与えられた"役割"に苦しめられたり苦しむ必要はないと思う。
僕の心は僕にしか分からないし、あなたの心はあなただけのものなのだから。

心を大切にするのは、簡単な様でとても難しい。
心を大切にできるのは、他の誰かではなく自分しかいない。

俳優陣の演技に加え、園子温監督が描き出す世界観と現代人の抱える心のしこりの親和性の高さに感嘆してまう。
彼の描く世界が、夢の様なのに限りなくリアルに感じる。

cast(役者·キャラ) 4.5
story(物語) 5
architecture(構成) 5
Picture(映像) 4
acoustic (音) 4.5
22-141
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