紀子の食卓の作品情報・感想・評価

「紀子の食卓」に投稿された感想・評価

田舎の平凡な女子高生紀子は父との意見の相違をきっかけに家を飛び出しネットで知り合ったクミコと「レンタル家族」の仕事を始めるが……

『愛のむきだし』『ヒミズ』の
!!園子温監督!!
による家族ドラマ。2002年の
『自殺サークル』の世界の続き。


あなたはあなたの関係者ですか?


という前作の問いの続きを見せてくれた様な作品。
血は繋がってるけど虚構な家族と暮らすより、嘘で塗り固められた温かい家族になることを選んだ姉妹のお話だ。
『自殺サークル』とは補完関係になっているものの、単体でも充分楽しめる作品。ノベライズ版を原作としているため少々登場キャラのナレーションによる進行はクサイが、ドラマとしては不快極まりなかった『自殺サークル』よりも楽しめた。
「レンタル家族」という商売がまかり通っている時点で日本の闇を感じるが、そこに需要があるんだろうなぁ。。。

主演は吹石一恵
この前福山雅治のハートを射抜いたことで有名な彼女。今まで注目して見たことなかったがめちゃくちゃいい女ですね。そりゃあんちゃんもオトされるわ!UNIQLOブラトップのCM見直しちゃったわ!
妹役の吉高由里子も良い。
相変わらず何考えてるかわからない役がピッタリ。こんな女子高生に振り回されたい人生でしたね。
あとはバイプレイヤー光石研の安定した演技と、AV女優に転落したつぐみさんが良い味だしてます。

前作ほどのショッキングな映像がない分、中身でしっかり勝負している感じがして好印象。
まぁ園子温監督作の中では凡作かな?

家族の形に疑問のある方、園子温のファン、そして福山雅治の伴侶となった吹石様の魅力を感じたい方にはオススメの作品。
最高に面白かった。自殺サークルは昔少し見てあまりにも映像がグロテスクで避けていた映画なのだけれども物語が繋がってるこれは観やすい。各主要人物たちの語りが大変耳に心地よい。声が良い。映画+一人称小説といった感じの語り。愛のむきだしと似た傾向がある気がした。けど登場人物がなぜそういう思考に至ったのかわたしの感性では消化不良なので、解説を色々読みたいと思う。けどわからないままでも良いかなという気もする。感性で観る映画かもしれない。

断片的にキーワードを拾うと各役割を担う…誰かが引き受けないといけない役割…サークル、輪、家族、現代人の孤独…興味深いテーマだった。

園子温は好き嫌い別れるだろうけどやっぱりすごい映画撮るなあ…その難解さをぜんぶ理解するには何度かみなきゃいけないかもしれない。役者の過剰に狂気じみた演技とか突然の血しぶきブシャーとか嫌いじゃない。思春期のころに観たらもっと色々感じ方が違ってたかな。ひさしぶりに心揺さぶられる映画を観た気がした。
00年代初期のネット文化(まだアングラ要素強めの頃)がよく分かります。
でかいパソコンを前に、
サイトを教える時に検索ワードじゃなくて「えいちてぃーてぃーぴー ころん すらっしゅすらっしゅ」ってURLを伝えてた頃の話。
掲示板に書き込んで、東京の人と初めて会話して、「私も上京するんだ!」と張り切った、思春期のネット民…結構居ましたね。
文通の文化が薄まってきてすぐくらいなので、気軽にオフ会してた頃です。

そんな時代背景をすっ飛ばした話の本題は、
自殺サークル謎が紐解かれる~というよりも、半分くらいはこの団体が絡んでたんだろうな、という話。
自己認識という人間の脆いところをテーマにした、自分と他人の境界線を曖昧にしてしまうような、面白い話でした。

グロとかは思ったより少なめでした。
QOL

QOLの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

とっても大きな気持ちを小さな心のコップに注ぐとあふれだしてしまうの。それが涙なのよ
Mshit

Mshitの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自殺はあくまでも手段及びサブテーマで、
あなたはあなたの関係者ですか
これがこの作品で大切なところ。

この映画は家族という最も近くて、呪われやすいトライブをレンタル家族とどちらが幸せか比べて実験していく。

最後の紀子とユカの選択に、答えがあって、自由は自由で大変そう。
人と人との関係を「役割」に置き換えて考えることは単純明快だが、冷たさを感じる。なぜなら、人は役割遂行の為に生きているわけではないからだ。父は父のように一家の大黒柱たる風格を保ち、妻や娘を叱る。一方で、妻のように優しく抱擁したり、子のように妻に甘える。つまり、「父」という固定的なイメージに自分を合わせて、機械のように行動している訳では無い。しかし、クミコは愛を知らずに育ったこともあり、人間関係を役割として見てしまう。そして、役割に従うことが正しいとさえ思っている。だが、別に父のイデアや母のイデアなんぞある訳でもないし、多様な家族があっていいんだと思う。
高校生のときに観て、途中で挫折したので再チャレンジ。
今回は面白く観れた……かな?
nika

nikaの感想・評価

3.5
gyaoで無料配信されてたので…借りてまで見ようとはしないでいたこの映画。すげー映画だなと思った。父親の実の娘レンタル作戦からすげーハラハラした。池田がいい奴すぎて都合が良すぎると思ったけど。池田カワイソス。

パソコンのデカさに時代を感じたなぁ。サイトの仕様もなんか懐かし。

「この世界は虚構の楽園」というけど、事実だけで生きてても楽しくないしねぇ。私ら動物じゃなくて人間だもの。理想空想妄想もいいじゃない。しかし虚構だけでも生きている感じがしないよねぇ。人間も生き物だもの。難しいねえ。

はー眉間にしわ寄せて見るの疲れた〜。



最近私もうんざりする家族と距離をとることで、「娘」という役割から解放されている。とても楽だ。まだ「妻」でも「母」でもない(この先もならないかもだが)「私」と大事に向き合って生きたいと思う。向き合うのはめんどくさいししんどいこともあるけれど。たまには逃げるけど。私は「私」の関係者でありたいと思う。どんな役を演じてても揺るぎなくそこにいる誰かさん。

明日から配信の「愛のむきだし」も久しぶりに見れたら見てみるかな〜。園子温はこれだけでもお腹いっぱいだけど。
いかにも園子温って感じの映画だった。

ただ『愛のむきだし』や『ヒミズ』は面白かったけど、これはあんまり好きじゃない。

頭の中の声がずーーーっと語られ続けるからだんだんかったるくなってくる。

人ってそんな簡単に洗脳されるのかな。
そういうのが丁寧に描かれているわけじゃないから全てが薄っぺらく感じて、ずっと冷めた目で見てしまった。
reona

reonaの感想・評価

3.4
自殺サークルとセットで。
でも、自殺サークルより現実的で、
緩やかに話が進んでいった。
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