葛西ロボ

紀子の食卓の葛西ロボのレビュー・感想・評価

紀子の食卓(2005年製作の映画)
4.2
 語りは冗長で悪ふざけに近いデフォルメもされているが、真面目な部分に関しては「愛のむきだし」よりよっぽど面白い。集団自殺を描く必要性はあまり感じないけど、レンタル家族という題材は社会風刺としてもアイデンティティの問題としても、かなり鋭い切り口になっている。
 みんな気味の悪いくらいの演技を見せる中で、当時新人の吉高由里子の垢抜けなさと滑舌の悪さは癒しの領域。「自殺者」ってちゃんと言えないのかわいすぎる。