カプチンバード

紀子の食卓のカプチンバードのレビュー・感想・評価

紀子の食卓(2005年製作の映画)
3.8
役割を全うすることに徹する少女たち、主人公の紀子は家出をし、レンタル家族というバイトを始める。自分の役割は何か?

弱肉強食のシステムの中で、弱肉=ウサギだったら?その役割が死ぬ事そのものだったら?奇妙な自分探しの破滅の道で自分たちの居場所を必死に見つけようとする家族の話。園子温版家族ゲームとでもいうのか?

園子温ワールド全開で、自殺クラブの強烈な続編。独特の湿度と演出で息苦しさすら感じる。

父親が後ろでボコボコにされているシーンで、余りに強烈な現実を前に幼児退行してしまい紀子はよだれを垂らす。垂れたよだれを不思議そうに指でなぞるシーンは妙にリアルだった。

長いし、園子温監督の映画を見るのはエネルギーがいるけど、この頃の監督が一番好き。
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