TenKasS

冬の子供のTenKasSのレビュー・感想・評価

冬の子供(1988年製作の映画)
-
観ている最中は「みんなイカれてるじゃん…!」とそのエキセントリックさと非常識っぷりに面食らっていたのだが、ラストに向かうにつれ時折現れる静謐なカットが妙に印象的で、カメラはとにかく動くけど嫌な映画ではなかったなという感触だけが残った。
解説を聞いてとても腑に落ちた点があって、それはアサイヤスがかけ離れた二項を併立させることでその亀裂から新しいものを生み出そうとしているアクロバティックな作家だと言うこと。なぜオリヴィエ・アサイヤスの映画が好きなのかと考えたときにその亀裂が自分の映画や物事に対する観念を揺るがしてくるからなのだと分かった。
TenKasS

TenKasS