さいきパパ

東京物語のさいきパパのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
5.0
海外のランキングで常に上位に選ばれていることは知っていたが、機会がなくこの度初鑑賞に至った。

この作品に点数を付ける行為自体が冒涜行為であるように思うので5点としておく。

どこにでもありそうな平凡な家族の日常を映し出した作品。
どこにでもありそうな厄介な家族の会話がつづられた作品。

完璧な構図で映像を切り取り、カメラは固定で動くことがないのにとても立体的に感じる。
美術館で絵画を鑑賞しているかのようなこだわりに感心した。
きっと小津安二郎は完璧主義者なんだろうな??

ストーリーは私のような年寄りには至って普通の話なんだが、当時の海外では衝撃だったのだろう。

最後に流れる唱歌「夕の鐘(ゆうべのかね)」が心に響く。
原曲が「主は冷たい土の中に(スティーブン・フォスター)」であることを知ると更に沁みる。
亡き者への鎮魂歌であり、残された者へのこころの歌なのだろう。
さいきパパ

さいきパパ