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「東京物語」に投稿された感想・評価

okey

okeyの感想・評価

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老夫婦が子供を訪ねて東京にやってきてまた地元に帰る、それだけの映画。

すばらしかった。こういう作品、もう日本では作れないだろうな。

当時の日本の文化や風俗を伝えるの建築やインテリア、衣装。それを生かした美しい画面構成。ローアングル多め。全編を通して計算された構図の画面は、西洋絵画の視点で日本を描いたようだった。

全体を通したスローなテンポは、父のトークから生み出されてるように感じた。
どこか死に対しての覚悟というか諦めみたいなものをみんなが持っていて、この死との距離感が現代とは異なるように思う。だから深刻な状況なのに、どこか冗談のような間の抜けたような会話で笑わせる。
・ちょこちょこ泣きそうになっちゃった
具体的な答えが映画の中で示されるわけではないもののこれから高齢化する自分の親のことを考えると悲しくなってしまう
変わってしまった子を嘆きながらも「子は親から離れるもの」と一番老夫婦に親身な人が言うのが堪える
兄弟達も愛がないわけじゃないんだよなあ...

・色々不満もあるだろうに「ありがとねぇ」「楽しかった」とひたすら繰り返すおばあちゃんが切ない
ニコニコしてるが酒飲みだった旦那にさぞかし苦労したんだろうなと勝手に想像してしまう
ハリウッド的なイチャイチャはないものの風立ちぬのような夫婦でいいなあと思った
「こんな広い東京ではぐれてしまったらお互い見つけられないねえ」等なんでもない会話が愛おしい
いいなあ

・お早ようを見た後で東京物語を見ると人の出入りによる環境の変化が場面ごとにとても計算されているように見える(解説本読んでるからその気になってるだけかも)
普段ミチミチした絵だからか空間が目立つ
あとこっちも居酒屋の描かれ方がいい
さ

さの感想・評価

4.0
これといって事件は起こらないのだけど、
この時代の、家族というものを、きっと忠実に描いていて、好きだった。
うま

うまの感想・評価

4.4
あーーーーー、これは良い映画だわ。
老夫婦が東京で暮らす自分の子どもを訪ねるだけの映画ではあるんだけど、ローアングル固定カメラで普通の家族のやり取りを淡々と映していくのが、なんとも味わい深い。

戦後の1950年代の家族に関する価値観の変遷の記録とも言えるわけだけど、より核家族化が進んだ現代の自分たちに昔の人が大切にしていた家族の絆的価値観がどこまで残っているだろうか。自分の行動を省みる良い機会になったというか、何ともズバズバと心を抉られてるような気分になった。ただ、実子の立場もわかるのよ。東京に限らず、IT化の恩恵もあり、いつでもどこでも働けるようになって、地域の関わりみたいなのもどんどん少なくなって、税金は高いし、インフレは激しいし、可処分所得は減る一方で、もう自分たちの生活をするだけで一杯一杯。そんな時に親の相手まで親身にしてられませんという気持ちはぶっちゃけすごくわかる。

ただ、この映画で特にグッときたのは、逐一老夫婦が優しい声色で「ありがとう」というところかな。内心は子どもたちの変わりっぷりに不満を覚えつつも、それを受容し、感謝できる達観っぷり。こんな風に自分もなりたいと思った。諸行無常。なんか仏教的な精神性だ。

あとは、未亡人である紀子さんね。実子はもう新しい価値観の方に行ってしまってる一方で、紀子さんはまだ旧価値観と新価値観の間を揺れ動いている。それが分かる最後のシーンはなんかジーンとするものがあった。自己欺瞞を知り、苦悩する紀子、そしてそれをやっぱり優しく受容する周吉。

淡々と変化に対して肯定も否定もしないけど、その中で生活する人々の心の機微がきちんと収められているのが、名作と言われる所以なんだろうな。
heihei

heiheiの感想・評価

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教養としての小津安二郎。
世界的傑作たる所以を知ってから観ると理解が深まる。

多少のズレがあろうとも、兄弟に恵まれた人々のことが少し羨ましくなる。
これはなんと言えばいいのだろう。
言葉が思いつかない。
ブラックジャックのもらい水を思い出した。
お父さんの表情ぐっときた。
心が元気な時に観ないと落ち込む。
seriFil

seriFilの感想・評価

5.0
「物語」とは程遠い、ある意味とても複雑で誰も映画にしようとは思わないような人間のあり様が生き生きとくっきりと描かれていることに驚きました。
観たことはあったはずですがアマプラで見つけふと気が向いて視聴。学生の頃、すでに逆輸入的な評価でわかったようなふりをしていましたが、本当の凄味はまるで見えていなかったようです。よく語られるこの監督の割り切ったカメラワークなどの方法論も人間の在り方をより浮き上がらせるための手法として生まれたんだろうなあと思い直しました。世界のシネフィルな巨匠たちがこの作品を評価している事実は、本当に世の中捨てたもんじゃないですし、今なお、日々生まれる膨大な映画への批評批判として機能しているはずです。それにしてもいったいこの監督はこんな作品を何歳の時につくれたのかと思わず調べたところ50歳と知ってなんかほっとしました。
toolbox

toolboxの感想・評価

5.0
田舎で暮らす老夫婦が東京で住む子供たちに会いに来る。子供たちは歓迎してくれているのだが何故か居心地が悪い。

そんな居心地の悪い東京の風景だが、老夫婦は笑顔を絶やさない。訛りのある『ありがとう』という言葉を相手へと伝える。もちろん二人の息子と娘も両親に冷たくしようと思っての事ではない、子供なりに両親に何かをしてあげようと考えている。そこが厳しいところだ。どこにも悪意が無いのに、悲しみや哀れみが映し出されていく。

後半の笠智衆が物凄く哀しい。とても上手な演技だと思う。そして最後の台詞は涙を誘い、そこに全てが集約されている。笠智衆といえば『男はつらいよ』シリーズが頭に浮かぶが、この映画では全編を通して優しさと、すぐにでも折れてしまいそうな強さを感じた。

戦後すぐに制作されているので、物事の価値観は今ではかなり変わってしまったが、親子の関係は今でも変わらないと思う。結婚して子供が生まれ親になり、その子供もやがて親になり巣立っていく。それは親離れをした結果であり、とても嬉しい事なのだが、たまの電話や年に数回ほど会う関係へと変わってしまう。おそらく自分の友人と会うよりも少ないことだろう。

僕も結婚をして子供が生まれたが、最近では大きくなった子供とは殆ど話す機会もない、父親は他界し母は少しボケてしまっている。

『ありがとう』

訛りのある二人の言葉がとても胸に残った。
のすけ

のすけの感想・評価

4.2
やっとのやっと小津作品デビュー。

数多ある映画に関しての本が小津を見てない日本人は日本人とはいえないって言ってて、ずっと見たかった。

今まで見た中で多分1番古い映画で見るまでにかなり尻込みしてたけど、見てみると心配してたことがバカらしく感じられるくらい見やすかった。

ストーリーについて。

老夫婦が子供家族に会いにはるばる田舎から東京にやってくる。遠方からやってきた親に対して子供たちの態度がとてもひどい。子供達も決して親を嫌っていたりする訳じゃなくて、普通にちゃんと忙しかったりするから余計タチが悪い。本人たちは悪気無しに親を邪険に扱っている。孫たちですら平気で祖父母を無視したりする。
こうゆう態度がちらちら垣間見えるのがすごい嫌になる。決して、面倒くさいとか言ったりしない。ただ言動一つ一つで老夫婦に対する誠実さが欠けていることが分かる。

演出について。

後から調べたら有名らしいけど、ローポジョンをめちゃくちゃ多用している。これはただの好みなのかな?何か意味がありそう。
カメラ目線になってしまうぐらいの正面撮りもめちゃくちゃ使ってた。

あと、構図の作り方がすごいなって思った。
映画の前半と後半で似たような構図の絵がちょこちょこ出てくるけど、それぞれに変化がある。最初は居た人がいなかったり、あったものがなかったり。
オープニングとエンディングなんてその差がしっかり表れてる。
こうやって、ただセリフとか言葉じゃなくて絵で見せる演出はめちゃくちゃカッコいいし、これぞ映画の醍醐味だと思う。

時代が経つにつれて親子関係の表層化とかについて描きたかったのかな。
これは出てくる登場人物達の個人の問題じゃなくてもっと普遍なもの。紀子と末っ子だけがまだ優しくて誠実な心を持ってるけど、それは2人が1番若いから。時間が経てば変わってしまうって紀子も言ってた。
最後のおじいちゃんに紀子が本心を語るシーンがあるけど、あれは小津の気持ちを代弁してるように感じた。

まだまだこの映画を理解しきれてない気がするからもっと見たいな。
ウマ介

ウマ介の感想・評価

4.0
カメラアングルに惚れた。
ローアングルでかつ遠くから撮影し、部屋と家族全体をとらえるあの画角はもー素晴らしい。日本の家屋だったり、床に座りながらご飯を食べると言った文化だからこそのアングルのように感じた。

内容は至ってシンプル。時系列が複雑になることもなく、会話と共に日常が映し出されている感じ。

古い作品は苦手だけど、そんな自分でも十分に楽しめた作品。
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