私が敬愛してやまないアッバス・キアロスタミ監督が愛した監督ということで鑑賞。
初めての小津映画。
古いし邦画だし、流し始めて早速「あぁこれ苦手そう」と思ったんだけど…それも杞憂に終わった。
どのシーンがきっかけかはわからないけれども結果的には、小津監督のファンになった。
物語は、ある老夫婦が遠く離れた東京へと子供たちを訪ねて行くところから始まる。本人たちがいなくなると表れる不躾とも思える子供たちの態度に観ながら胸を痛め、それでも彼らを許し愛す父の懐の深さ、愛の深さに切なくなる。でも別に悪人がいるわけじゃない。みんな、人間なだけ。
これが紛れも無い一つの家族の形なんだよなぁ。
もっと、親孝行しておかなければ。
そんな風に思わせてくれる静かな名作。