大傑作！
選挙をあと数日に控えた大統領がガールスカウトの少女に性的暴行を加えたという度し難いスキャンダルもみ消す為に、アルベニアとの嘘の戦争をでっち上げて世論の関心を撹乱させるというプロットがまずべらぼうに面白い。
暴力を振るわれた少女のことなんて誰も気にせず、いかに選挙まで支持率を落とさず逃げ切るかだけしか考えていない、腐敗し切った外道たちが右往左往する物語は、期せずも脚色を担当したデヴィッド・マメット戯曲・映画のテイストとかなり近いものを感じる。（字幕が追いつかない速さでの罵倒合戦の部分は恐らくデヴィッド・マメットの味が最も出たところだと思う）
一番面白いのは間違いなく、嘘の戦争を演出する映画プロデューサー役のダスティン・ホフマンなわけだが、彼が劇中で軽く触れてた「とある映画撮影終了２週間前に主役たち3人が大怪我して撮影できなくなったが、なんとかした」というエピソードのどうやって切り抜けたのかが凄く気になるんですよね……
