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ラスト・ボーイスカウトのRのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・ボーイスカウト(1991年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1991年のアメリカの作品。

監督は「クリムゾン・タイド」のトニー・スコット。

あらすじ

過去に大統領の命を救ったほどの腕利きのシークレットサービスで今はしがない探偵のジョー(ブルース・ウィリス「ザ ・ローブ THE HEROS HIGH VOLTAGE」)はある日、友人からダンサーのコリー(ハル・ベリー「ムーンフォール」)の身辺警護を頼まれる。しかし、その後、何者かによってコリーが殺されてしまったことで、ジョーはコリーの恋人で元プロフットボール選手のジミー(デイモン・ウェイアンズ「ブラック・コメディ〜差別を笑い飛ばせ!〜」)と共に捜査を開始するのだが…。

アマプラにて、2度目。

初めて観た時は「ラスト・ボーイスカウト」というなんかものすごいタイトルとボーイスカウトが主役かと思いきや、バリバリのブルース天ウィリス映画というインパクトが強かったイメージだったけど、今回はそんな初回の記憶は微塵も思い出せず、ほとんど初見の感じで鑑賞。ちなみに、本作の「ボーイスカウト」はあのボーイスカウトではなく「正義漢」という意味らしい。

お話はあらすじの通り。ブルース演じる元シークレットサービスのジョーとこちらも元アメフト選手のジミーによる所謂「バディもの」となっている。

ちなみに、2人がバディを組むきっかけとなったのがジミーの恋人のダンサーのコリーが殺されてしまったからなんだけど、そのコリーを演じるのがまだ若かりし頃のハル・ベリー!結局のところ殺されてしまうので出番もほんのちょい役な訳なんだけど、恐ろしいのがまだ出たてで若いだろうに、今とほとんど変わらない!つくづく女優って恐ろしいな笑。

で、そんな2人が捜査を展開していくんだけど、なんといっても注目は今作の脚本家があのシェーン・ブラック!!

シェーン・ブラックといえば「アイアンマン3」の監督にも抜擢されたことを覚えている人もいるかもしれないが、その最も得意とするところは「リーサル・ウェポン」や監督もした「ナイスガイズ!」などの「バディもの」ということでやはり今作でもジョーとジミーの掛け合いの妙が存分に楽しめる作りとなっている。

出会いはコリーに目をつけたと勘違いしたジミーがチンピラ然と絡んできて、逆にジョーにボコされるトホホな感じなんだけど、バディを流れで結成してからは割と意気投合!ジョーの家に一旦2人で行って、そこで出会ったジョーの娘のダリアン(ダニエル・ハリス「メイズ・オブ・タイム 時間渦からの脱出」)に反抗されたジョーに「50ドルで娘の指をへし折ってやろうか?」と冗談を叩くジジミーに対して「楽しみは譲れんよ」と見事な返しをジョーがしたり、捜査も最高潮の車中で「無事に解決したらジグ(スコットランドの伝統的なダンス)を踊ってやるぜ!」と宣ったりと始終顰めっ面の割に流れとはいえ元アメフト選手で今は落ちぶれたチンピラ同然のジミーとの関係性はなんだか微笑ましくて、確かに凸凹ではあるんだけど、同じ「負け犬」同士、時に寄り添いながら段々とナイスバディになっていく感じはやはり上手い。

また、このジョーの娘のダリアンがまた最高で序盤では反抗期絶頂でジミーに対しても悪態をついてばかりなんだけど、ジョーが不在の間、ジミーにくっついてサポートしたり(犬の真似して「ワン!」とふざけるシーン、めちゃキュート!)と割と有能なサイドキックガールっぷりで、特に特筆すべきは敵に囲まれて絶対絶命の2人のもとにパンピーの子ども然と近づいてきて、パペットの動物の人形を会話の流れでジョーに渡す→実はそのパペットには銃が仕込んでおり、ジョーがあやす感じでダリアンにセサミストリートばりのファニーな寸劇を披露する流れでいきなり不意をついてそのパペットの口から銃弾が!一気に銃撃戦に雪崩れ込むシーンは一連のシリアスな流れと共にやはりダリアンのナイスアシストっぷりが光る作品屈指の名シーン。

そういえば「ナイスガイズ」でもライアン・ゴズリング演じる主人公の娘役のアンガーリー・ライスちゃんがいい働きをしていて、このバディプラス娘っ子のラインもシェーン・ブラックの得意とするところと言ったところか。

もちろん、ジミーも段々とバディとしていい働きをしつつ、やはり見せ場は終盤のアメフトの試合中に巻き起こる大統領暗殺シーン。馬で試合場に乱入するジミーで撹乱しつつ、大統領を狙う銃弾には元アメフト選手としてのパスで阻止するシーンがあったり、敵のスナイパーとの一騎討ちではまさにクライマックスなタイマンアクションをブルースが披露し、決着後は宣言通りジグを足場のうえでみんなが見ている中でも踊るラストもかっこよく決まってたなぁ。

ラストはなんだかんだいいバディとなり、馬も合うので「2人でコンビ結成すっか!」な仲良いエンドなのもまた良き!トニー・スコット監督作としても楽しめるけど、個人的にはシェーン・ブラック濃度が高い往年のアクション映画の良さをパッケージングしたいい感じのバディムービーでありました!
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