Fe

チチカット・フォーリーズのFeのレビュー・感想・評価

チチカット・フォーリーズ(1967年製作の映画)
-
(映画が、ではなく映されている内容が)酷かった・・。おそらく重度の犯罪を犯したもしくは重度の精神障害を持つと診断された人たちは、服を脱がされ素っ裸でなんにもない部屋に閉じ込められ、まるで獣のように扱われる。看守たちもことごとく高圧的で、カメラが回っていないところでは暴力を振るうことなんて日常沙汰だろうなあ、、と思った。『カッコーの巣の上で』を思い出したけれど、現実の方がよっぽど危うくて問題だらけだ。今、ブラックライブスマター運動が盛んになっていて、まだ日本にも、アメリカにも、こんなに差別があるのかと絶望しかない昨今だけれど、精神的に病を持つ人びとやその家族だって耐えきれないほどの差別や偏見と直面させられてきたんだろう、ということをもっと勉強しなきゃな!そして、自分の中にある差別的な一片(それは完全に否定しきれないくらいに、あると思っている)とも向き合って、ぜったいに退治してやらなきゃいけない。

小柄な老人が、暗闇の中、テレビに映る女性シンガーの歌に合わせて、全く違う歌(oh my Chinatownという感じの)を歌いながら微笑むシーンがとても美しかった。チャイナタウンが彼の故郷か思い出の地なのか、全く見知らぬ土地なのかはわからないが、とてもたのしそうに歌う「人間」の彼がしっかりと存在している。
Fe

Fe