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フットルースのFMLのレビュー・感想・評価

フットルース(1984年製作の映画)
5.0
ケニーロギンスの名曲"Footloose"の超豪華なMVとしても楽しめる、80年代を代表する青春映画

日本でいう村八分的な風習が根強く残っている、映画上の架空の街ボーモントに、シカゴという都会から引っ越してきた少年レン(ケヴィンベーコン)

さまざまな抑制に悶々とした想いを抱える若者たちと、ダンスやロックなどの音楽を悪と信じて疑わない偏屈な大人たち
前述した通り、村八分とか陰湿な嫌がらせとかやっちゃうような色んな意味でやばい田舎町が舞台なこともあって、ただダンスしたい若者vsダンスさせたくない大人という単純な構図ではないところが本作の見どころ
大人に洗脳されて、同じようにレンたちの邪魔をしたり、否定的な目で見る同級生も何人かいることにより、"抑制からの解放"としてのダンスという表現を超えたもっと深いテーマを感じさせてくれる

ロックは不良の音楽として禁止されてた時代からだいぶ進歩したとはいえ、良き伝統とともに悪しき伝統も受け継がれていく
世界はこんなにも広いのに、生まれた街だけが全てだと思い込んでしまってる人たちがあまりにも多い
そんな人たちにこそ、この作品は観てほしい
けどそんな人たちにはこの作品は響かないんだろう
人の心を動かすって、やっぱりすごく難しいよな

でももし、少しでも踊りたいと思ったならそれを隠す必要も恥ずかしがることもない
踊り方なんて気にしなくてもいい
ぎこちなくてもだらしなくても自分をさらけだして踊りまくろう
工場でひとりきりで踊るシーンは、もはや芸術
美しすぎて涙すら出そうになったほど

本当の自由はどこにあるのかって、考えるまでもない
ロックしてポップしてロールしてスイングしてダンスする自分自身の魂だよ
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