なだ

上海バンスキングのなだのレビュー・感想・評価

上海バンスキング(1984年製作の映画)
3.8
2.26事件後軍国化する日本。
逃げ出すように上海でジャズ演奏家を夢見るシロー(風間杜夫)
は、まどか(松坂慶子)を日本から騙して連れ出す。

バンスキングとは前借王

戦争のきな臭さが背景にあるが、軽快なスウィングジャズと戦乱に巻込まれる若者の運命を深作欣二監督の深刻になり過ぎないタッチで描かれる。

勿論戦争の悲惨さは中国と日本共に描写。多くの戦争の写真が使われている。

『蒲田行進曲』の主演3人と、日中戦争時に日本人と中国人での国際結婚をしてしまった松本(宇崎竜童)とリリー(志穂美悦子)
松本の幼馴染で、まどかに思慕を寄せる軍人の波多野(夏八木勲)

苦難に陥りながらも芯の強さで前向きに生きる松坂慶子の演技が心に残りました。

高スコアなのは、高校生の頃に母と一緒に観に行った思い出の映画のため。
今作の音楽が好きになってレコードを購入。
宇崎竜童のセリフが早口だったり志穂美悦子が中国人女性に見えなかったり。
でも、ジャズへの興味も日中戦争の事も宇崎竜童も…高校時代に今作を観たことが、私の人格形成に少なからず影響を与えています。

吉田日出子さんの自由劇場の舞台からの映画化らしいけれどそちらは未見。
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