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ボーン・アイデンティティーのmickeyのレビュー・感想・評価

4.3
マット・デイモンの代表作ジェイソン・ボーンシリーズの一作目。

リアル寄りのスパイアクションで、ダニエル・クレイグの007など多くの映画に影響を与えましたが、ハリウッドらしくないヨーロッパ映画のような雰囲気も含めて非常に好きな作品です。
まぁ、リアルといっても実際のスパイがどんな感じかなんて知らないですけど。それに、冒頭に大きなツッコミどころがあるんですよね。

皮膚の下に個人情報のマイクロカプセルが埋め込まれているってどうなのよ!
しかも瀕死状態の時には光るわけでしょ。
そこは、トンデモ設定じゃなく普通にできたんじゃないか。
とはいえ、鑑賞中は記憶喪失のマット・デイモンの謎が気になってそこまで気にならなかったですけど。

個人的には、ナポリから陸路でチューリッヒ、パリへの道のりがとても現実的で好きですね。これが大味なアクション大作だと、やけに世界中を巡るじゃないですか。見た目には楽しいですけど。
ヒロイン役がチューリッヒにいそうなタイプのフランカ・ポテンテで、この行きずりの恋がまたリアルに感じられて良いです。
「忘れっこないだろ、君しか知らないんだ」
台詞も洒落てるし、こういう極限状態ならこうなるだろうなという二人の距離感に納得できるんです。

アクションは派手ではありませんが、戦う時は身の回りの物を使い、逃げる時は地図や案内図で逃走経路を確認する。そして、何ヶ国語も操る姿からも分かるように、ボーンの最大の武器は知性。
無用な衝突は避け、避けられないとなったら常に敵の一手先を行く、スナイパーとの対戦もそう(クライヴ・オーウェンがまたクールで印象に残ります)。
他のスパイアクションでは主人公が無茶な行動をすることがありますが、ボーンの場合は行動が全て理に適っているので、彼の強さやプロフェッショナルさが際立って見えます。
マット・デイモンの話す外国語も必見です。
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