愛妻物語のGOFEETのレビュー・感想・評価

『安宅家の人々』からの〈乙羽信子〉つながりで新藤兼人の『愛妻物語』を観る。自らの下積み時代を描いた自伝的作品であり、新藤兼人の監督デビュー作。相変わらず〈百萬弗のゑくぼ〉乙羽信子は素敵で可愛らしいけれど、宇野重吉の演技には少々閉口する。正直、彼の良さが分からない。新藤兼人は妻の孝子に似ているからと、乙羽信子を起用する訳だが、のちにふたりは夫婦となる。師事していた溝口健二とのやり取りが存分に描かれており興味深い。