CS80

河のCS80のレビュー・感想・評価

(1997年製作の映画)
4.0
奇病がもたらす僅かな家族の再生

20年以上前、たまたまテレビで放送されているのを見て、奇妙で衝撃的な内容にずっと頭から離れない蔡明亮監督を知るきっかけになった作品。
息子の頭を持って二人乗りするバイクの姿をふと思い出して、所持していたビデオを探すものの見つからず唯一サブスクにあったprime videoで購入しました。

音楽はもちろん台詞さえも少なく、首をずっと傾ける主人公シャオカンと分裂した家族の姿を見続ける二時間。
湿度の高い雨季の台北と雨漏りする部屋。
親子の愛情と禁断の行為。
全てがただ静かに映し出され、オープニングと重なる様な悲劇的に感じさせる主人公の運命さえ見る者に委ねる。
「青春神話」「愛情萬歳」の初期三部作の中では一番理解し難くも心に残る作品。
CS80

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