スギノイチ

歌え!ロレッタ愛のためにのスギノイチのレビュー・感想・評価

歌え!ロレッタ愛のために(1980年製作の映画)
3.8
ミュージシャンの伝記映画はかなり苦手だが、これは良かった。
キャリア初期のシシー・スペイセクは、こういう素朴な田舎娘がよく似合う。
実際のロレッタがどうだったのか知らんが、スターになった後も田舎っぽく、それでいて歌の上手さも持ち合わせている。

「娘を殴らないこと。遠くへ連れて行かないこと」という、求婚時の義父との約束を割と序盤で破ってしまう夫、トミー・リー・ジョーンズ。
妻がスターになるや不貞腐れてわざとバレるような浮気をするしょうもない男だが、なんとも朴訥として憎めない。
終盤、ステージ夫に復帰した後にロレッタが不調を訴えても気の利いたことも言えず、ただそばにいることしかできない。
しかし、この「そばにいるだけ」の佇まいが実に良いのだ。
スギノイチ

スギノイチ