アキオ

西部戦線異状なしのアキオのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトル回収は?って言う作品。名作のはずなんだが?自分には刺さらなかった。

ある心温かい若者が戦争を通して心を失っていくww1の話。

フューリーと言い、陸軍系の映画は人としての心を失いがちな気がする。主人公がそうなっていくのが大きいんやろけど、生き残るにはその感情を捨てて、したたかに生き続けること=目の前の相手を殺し続けることをしなければいけないからなんやと思う。ラストシーンも含めて、すごく心が痛いと言うか、感情が無くなっていくのを感じる映画。

心に感じさせるキャラクターの演技は良かったけど、うーん、、、微妙なカットが多すぎる。。。それ続き欲しいんやけど。

あまり多くを語らずに心情に訴えかけてくるタイプの映画でいいと思うけど、もうちょっと長回しの方が雰囲気出るよな〜とか思ったり。要らねえなぁとまではいかなくても短くね?みたいなシーンが多すぎる。ローファイなのは時代を感じていいけど、見にくいなあやっぱ。

ドイツのことなのに英語なのは違和感強め。

陸軍より空軍の方がドラマチックで好きかも。戦争やからしゃーないけど歩兵は犠牲者が多いから隣人との関わりが薄くなりがちやし、絆が出来ても次の戦いではもういないみたいなこと多いし、あんま好みじゃないかも。
真実といえばそうやけど、見ることで心が失われていくのを感じる。

使い物にもならん中高年風情が、勝手に説教して自分は生温い環境でダラダラ生きてるのも腹立つし、あーだこーだほざいてるのも虫唾が走る。いつの時代もこれが真実なんやろなってほんまに思うしそこは良いと思う。気悪くはなるけど。

辟易して言葉にすらならないよなってほんまに思うし、ただただ不快でその場を後にするのもわかる。

最期も心豊かに生きるものが殺されるような描写ですごく悲しくなるし、残酷さが際立った。

タイトルについて考えてみたけど、主人公の死ですら、数ある戦死者の1データでしかなくて、戦況をマクロで見た時にはなんの影響もない、無名の兵士に過ぎないと考えると納得する。その虚無感がものすごく刺さった。今の俺も日本の中でしょーもない1人でしかないし、どんな偉大で著名な人間も、死んだら無に帰するし、それでも世界は回っていくと考えると虚しさが残るなって思う。どんだけやってもその程度ってね。。。

今でこそ自分のやることは自己完結できるようになったから良いけど、他者に依存してた時にこれ見てたらしばらくは虚無感で何もしなかっただろうな。やさぐれてしょーもない人間にならなくて良かった笑

学びはあるけど、そこまでいい作品とは思えないな。
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