CHEBUNBUN

黄色い涙のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

黄色い涙(2007年製作の映画)
3.8
【嵐映画祭3:これぞ最強のアイドル集結映画】
嵐を着せ替え人形にしか思ってない『ピカンチ』シリーズとは違い、この嵐全員集合映画は映画として素晴らしいものを感じた。ひょっとすると犬童一心監督は嵐なんかよりも市川準の『トキワ荘の青春』足る世界を創りたい一心で作ってたのかもしれない。アイドル映画にありがちな、映画の設定よりも現実の設定を押し付ける感じではなく、ゆったりと流れていく昭和の中で、金はなくダラダラと友だちと遊びながら、たまに仕事を頑張る平成が忘れてしまったものをギュッと映画に閉じ込める感じがとっても好きでした。

犬童一心監督は雰囲気監督なので、キャラクターを掘り下げたり、物語に深みがあったりというのはないんだけれども、こんな映画あってもいいでしょう?と壁際に咲く美しき一輪の花のような作品を作る。そんな彼の映画作りにはついつい評価が甘くなってしまうのです。二宮和也のなんとなく頑張る若者の演技も良かったことから大満足な作品でした。
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