戦闘のシーンは一切なく、怒鳴るか殴るかで全て解決しようとする「過去に生きてる」日本兵のナンセンスさと、それを冷ややかな目で見る捕虜の温度差で戦争の無意味さを感じさせられる作品。
冒頭のオランダ兵が犯されるくだりや、ヨノイとセリアズの関係性、愛のコリーダの監督とは思えないほど女性が登場しないなど、武士道社会における同性愛を切り取ってるふちがある。
ヨノイの行動が、好きな子に振り向いてもらおうと前に出る男の子のように見えてくるが、それが戦時中に振りかざされるとこんなにも残酷に映る。
ビートたけしが絶妙な塩梅でラストの会話が印象的。
戦争で出会わなければ二人は良い友人になれてたかもしれない。
戦争が無意味であるとしながらも、クリスマスという共通のお祝いごとによって、争い合うもの同士が手を取り合う可能性をささやかながら示唆してくれる。