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カルメンという名の女のsasaのレビュー・感想・評価

カルメンという名の女(1983年製作の映画)
2.9
絵画的な美しい映像の連続。感情の高ぶりに呼応するような海辺のカットや、彫刻のような男女の裸体、特に朝陽の逆光を浴びているシーンは息を呑む美しさ。演奏者や掃除婦など、ゴダールらしいメタ視点からの要素も。

ただ、「美しい映像と自分の美意識のために役者を動かしている」という空虚さ・傲慢さを感じたまま最後まで拭えなかった。映像として優れていても、映画としての面白さを感じない。ゴダールは作品ごとに好き嫌いがはっきり分かれるが、これは全くダメだった……。
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