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カルメンという名の女のadeamのレビュー・感想・評価

カルメンという名の女(1983年製作の映画)
2.0
ヴェネツィアで金獅子賞を得た80年代ゴダールの代表作。
男女の逃避行という何度も扱ってきたパターンを今作ではベートーヴェンの弦楽四重奏曲に乗せて描いています。
心地良い音色を執拗に断ち切る意地の悪い、しかし挑発的な演出がらしいと言えばそうなのですが、過去の作品で披露してきた革新的な試みの数々から上積みがあるとは思えず、唯一エロティックな場面の激しさだけが新鮮味であるように感じます。
画質がクリアになったのもプラスに働いているのか微妙な印象で、キャストのルックスや無防備に投げ出される裸体といった被写体自体の美しさに依っている気がしました。
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