アメリカが起こしたベトナム戦争による悲劇。ベトナム戦争を題材にした映画というと、本作と「フルメタル・ジャケット」が一番に挙げられると思う。フルメタル～は前編と後編で娯楽的な面と戦争の悲惨さをきっぱりと区切って表現している。本作も三編に分けられた構成だが、戦争が終わってもその後遺症が残っているという点をフラッシュバック現象の様に登場させる。異国の戦場でいつ死んでもおかしくない状況を生半可ではない緊張感で見せられた後では、このロバートデニーロを追体験しているようだ。劇中のベトナム語には一切字幕が出てなかったのだが、これが功を奏している。ベトナムの町のシーンは日本の任侠映画に通ずるものがあって、好きな人にはたまらない。ロシアンルーレットのシーンはここ最近見た映画で一番ドキドキさせられた。
