みおこし

三銃士のみおこしのレビュー・感想・評価

三銃士(1948年製作の映画)
4.0
ジーン・ケリーがダンスも歌も封印して挑んだ冒険活劇。ようやく観られました!ジャケットがないのが残念なので、Filmarksさんぜひ追加をお願いします!
もう華金にぴったりな痛快娯楽大作で、最高に楽しめました!!!!

原作は言わずもがなのアレクサンドル・デュマ。ルイ13世治下のフランス。時の宰相リシュリューの邪悪な陰謀に立ち向かう勇敢な三銃士と、剣の腕を見込まれ彼らと共に旅に合流する若者ダルタニアンの活躍を圧倒的なスケールと映像美、豪華キャストで映像化。

三銃士の映画化は何度されたか分かりませんが、本作ほど明るく豪華絢爛なバージョンはあるのでしょうか...?天下のジーン・ケリーにミュージカルを封印させ、脇を固めるのはヴィンセント・プライス、ジューン・アリソン、ヴァン・ヘフリン、ギグ・ヤング、フランク・モーガン、アンジェラ・ランズベリー(なんとまだご健在!)という1940年代を代表する俳優さんが揃いに揃った、最強すぎる布陣。しかも映画史に残る名悪女ウィンター夫人は、稀代のセックス・シンボルのラナ・ターナー!
いや〜、もうどこからどこまでも豪華すぎて本当に驚き!!こんな傑作が時を超えてDVD化され、日本に住む24歳OLがこうして鑑賞できるなんて素晴らしい時代だなと(笑)。

とにかくRPGさながらの希望とスリルに満ちた冒険譚の世界観の素晴らしさは、原作の素晴らしさのみならず、派手なカメラワークや斬新かつビビッドな衣装・セットあってこそ。まるでMGMミュージカルを観ているかのような、ちょっと華美すぎるけどインパクト抜群のビジュアルは昔ならではの魅力。
さらに馬で海岸を走り抜けながらの戦闘シーンや、ダルタニアンが城内を多くの敵をなぎ倒して全力疾走するシーンなど、アクションがハンパじゃない!当時はCGどころか、ワイヤーアクションでさえまだメジャーではなかった時代。本当にゼロからセットを作り、主演のジーン・ケリーにそこを走らせたり飛び越えさせたり...『ミッション』シリーズのトム・クルーズもびっくりの危険スタントの連続でヒヤヒヤしながら観ていました(笑)。でもそこはさすがのジーン、爪先をピンと伸ばし、まるでいつものように踊っているかのような鮮やかなアクションで我々を魅了してくれました。ミュージカルなしの彼もまた最高の役者さんだなと。

ヒロインもみんな素敵。ラナのあでやかさはもちろんのこと、ジューン・アリソンがとにかく登場シーンから愛くるしくて、ダルタニアンと一緒に恋に落ちそうになりました(笑)。ヴァン・ヘフリンの、思わずこちらに沁み渡る感動的なシーンもまた良かったです。とにかくどの役者さんもレジェンド揃いなので、終始楽しい...!
かのヴィンセント・プライスも、若い頃からイケメンなんですね。

とにかく当時のスタジオの持てる力を出し尽くしたという印象の楽しい作品でした。お話もドラマチックで、テンポも良いので全く飽きずに楽しめました。
クラシック映画が苦手な方ほどご覧いただきたく!
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