鈴渚

8 Mileの鈴渚のレビュー・感想・評価

8 Mile(2002年製作の映画)
3.0
最後のラップバトルを魅せる為の静寂。

言葉は日常に溢れている。相手を罵るだけがラップではない。ラビットには韻を踏む言葉合わせのテクニック、会場のビートを感じ自分のビートへ引き込むエネルギーがある。しかし距離間のある序盤の構図が、自身の持つ力を信じきれず彼と仲間との間にある温度差を視覚化している。
ラジオスタジオのガラス越しに繰り広げられる喧嘩は、ラビットが夢の近くにいることを示唆しているようだが、「ここで喧嘩をしなければ」「黙って言うことを聞いていれば」といった結果論のタラレバは完全にカットされていてただの事象として描かれている。
淡々と描かれるラビットの生活。「諦めなければ夢は叶う」といったメッセージの押しつけがなく、日々の積み重ねに予感させられる未来がラストのショットから垣間見えた。

エミネムの半自伝映画。MGK好きとしてはエミネムは避けて通れん。聞こう。
8マイルロードについては知識を得た上で再見、言及しようと思う。
鈴渚

鈴渚