JOY

魔女の宅急便のJOYのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.2
TSUTAYAでレンタル

ワクチン二回目接種の翌日、周囲の人間が全員体調を崩していたので自分も大事をとって予定をキャンセルしていたが、全く体調は崩れなくて拍子抜けしました。
体調悪かったら見よー、と思ってたジブリ作品何作品かを見て時間を潰すことに。

すごく良かった。見ながらとってたメモが小論文くらいになってしまったので適当に省きつつ書く。
よく考えたら、自分はあんまり魔女宅って見たことないんだな、と気づいた。ナウシカとかラピュタは死ぬほど見てるけど。パズーのトランペットがマーラーの5番のイントロになってたりするmadが頭に残っている。

全体的に父性的な目線で見てしまった。旅立ちにあたってめちゃくちゃはしゃいでしまう危機にちょっと不安を感じたり、成長していくキキに涙したり。気持ち悪いですね。
雨の中飛ぶキキにめちゃくちゃ胸が痛んだ。もうこんなに濡れた服じゃパーティ行けないだろうな、というのは本人もわかって、それでも必死に飛んでるんだろうなぁ、、、
お見舞いを拒んだり、飛行船の内部を見に誘われてちょっと怒っちゃうキキにもなんかヤキモキというか、なんというか。

ジブリのお父さん、大抵メガネでなんか頼りない感じだな。ジブリってあんまり典型的なパワー系の男って出てこないね。男権的なお父さんというか。
「シェイプオブウォーター」にはものすごい前時代的な男がでてきて、それがまたよかったのだけど。
基本的に児童中心にターゲットを設定しているから、直接的な不快なものって出てこないのかな。

キキがすごく素直に人に甘えるシーンが可愛い。
大人になってもこんな風か少女の顔になる女の人っているよね、大抵の場合そういう女性はめちゃくちゃモテる上、なぜモテるのか本人が一番よくわかってないイメージ。変に悪女扱いを受けたりする上、モテることによって謎の被害を被ってたりする。
そういう女性は出産のタイミングで少女の部分が変化していって、母親になっていくようにも感じる。核の部分に少女がいるというのは、自分の心にも少年が住まうので割と共感がある。

危機が飛ぶシーンのアニメーションがどれもすっごく良くて、その分飛べなくなったシーンとか、再び飛ぶシーンにものすごい感動を覚える。
キキが一人で箒を作りながら泣いちゃうシーン、まじで泣いてしまった。もう嫌だよこんな寂しいの。幸せでいてくれよ。

魔女宅、すっごい面白かったが、なんか他の作品に比べると、ちょっと薄くない?という感じはする。良い作品って、いろんな議論や意見を生むんじゃないかなと思うけど、キキのジュブナイルものとして注力している反面、それ以外にあまり感じることがないのでは。
すっげ面白いけど、面白さ以外に意外と何もない殺風景な印象。終盤の、飛べなくなって森の中の小屋に行くシーンみたいなの、もっと見たかった気がする。なんかちょっとモヤモヤ。
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