子どもの頃とは全く違う視点で鑑賞出来た!
今見ると若者が独り立ちする時の哀歓、近代化による「非合理的な」存在の一掃をアニメ作品として仕上げている傑作だ。
独り立ちして生活していく中ではすごく良い人に会うこともあれば、嫌な人に会わないといけないこともある。
そういう中でがむしゃらに生きていくことで、道は開ける。という宮崎駿から若者へのエールだろう。
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また、近代化の中で国民を作り上げるべく、国家は交通ルールや成人年齢等様々なルールを統一していった。その行動原理として「合理性」への崇拝があって、呪術的なものは一掃されていった(e.g キリスト教会の権威低下)。
魔女も近代以前の存在であり、近代化の流れの中では一掃される対象である。
ストーリー全体を通して昔ほど魔女への尊敬が無くなったという描写がいくつか出てくるが、魔女はこうした「合理性」による攻撃対象であり且つキキを主人公に据える点ではアンチテーゼであるのだろう。