米粉

魔女の宅急便の米粉のレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.5
この作品を見ると、新卒で知らない地に移り、慣れない仕事に毎日泣きそうになっていた頃を思い出す。1年目が辛いのは人間も魔女も一緒なのか…。

最初の方のキキがほうきで飛ぶシーン、自分の感情をコントロールできない思春期の女の子が、ただでさえ乗りにくそうなほうきを上手く操縦できるわけないんですよね。メンタルもほうきも不安定な13歳の独り立ち、魔女の世界は厳しい…。私だったら絶対に性格ひん曲がって家出してる。

各シーンでジジが時々ぶつくさ文句を垂れているの、前からずっと気になっていたけど、あれは彼の本心じゃなく、キキの反抗心や嫉妬心・羨望の気持ちを代弁してるような気がする。キキにとってジジは、自分の本音を代わりに言ってくれるイマジナリーフレンド的な存在なのかな?実際、キキがトンボに本音をぶつけた後、ジジの言葉がわからなくなっているし。誰の声も借りずに自分の声と言葉でちゃんと言えるようになったから、必要がなくなったのでしょう。成長して得るものがあれば捨てなきゃいけないものもある。喜ばしいことだけれどちょっと切ない。
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