午後

コールガールの午後のレビュー・感想・評価

コールガール(1971年製作の映画)
3.5
夜のNYが、こんなに暗くて、さみしいなんて知らなかった。冷たくて、静かで、暗いNYが印象的。他の映画で見られるような、華々しい、夢が叶う街とは似ても似つかない暮らしが映されている。この街から漂ってくる孤独感がすごく良い。そんな都会小さな部屋で、慰め合うように身を寄せ合うラブシーンが心に残った。
女優を夢見つつも、ずるずるとコールガールを続けてしまうジェーン・フォンダがまた良い。売春をしている時だけ、主導権を握れる。人生が思い通りな気分が味わえる。
映画としては、前半はサスペンスで、後半はラブロマンスに一転、かと思いきやどっちつかずのまま、なにもかもがぼんやりして終わるので、良い出来とは言えないかもしれないが、この茫漠とした感じ、なにも解決しないのが、映画の雰囲気に合っている。
ドナルド・サザーランドの辛気臭くてくたびれきった感じも良い。
キラリと光るシーンがいくつかあって、じわじわとズームアウトしていくシーンが、疑心暗鬼でナイーブな心情を感じさせてよかった。
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