Tully

あの頃ペニー・レインとのTullyのレビュー・感想・評価

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)
4.0
オープニングがいい。かわいい音楽に鉛筆の走る音。子供たちの遊ぶ声をバックにタイトルと出演者の紹介。「キャメロン・クロウ」 の映画の音楽といえば 「ナンシー・ウィルソン」 。さすが夫婦、息が合ってます。最高です。シーンにぴったりの曲、素晴らしいです。このお話、実話がベースというのはちょっとびっくり。ウィリアム15歳にして、文章のセンスを雑誌社に認められて、ジャーナリストの端くれになり、ロックバンドのツアーに同行取材。そして周りにも、あっという間に受け入れられてしまう。「なんでも許すぞ」 みたいな感じで。そうさせてしまう魅力みたいな何かがあるのでしょうね。特にコネも何もなく、飛び込んだ業界であっさり認められてしまう。いくらセンスがいいからと言っても、こんなことってあるんでしょうか。ウィリアムの受け答えには、確かに大人びたところがあります。物怖じしたところもなく、堂々としています。それに素直。そんなウィリアムを利用しようとするいけない人が周りにいなくてよかった。不慣れな世界の中で、ジャーナリストとして相手に呑まれないように、甘くみられないように、でもシャイでなんとなくからを被っているかのようで。わりと無表情なんだけど、でもその奥底には強い想いがある。なんだかすごく複雑な役を彼は立派にこなしたと思います。撮影アングルがいいです。素敵な音楽とほろ苦い爽やかなストーリーとよく合います。そしてラストも好きです。
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