半兵衛

あばよダチ公の半兵衛のレビュー・感想・評価

あばよダチ公(1974年製作の映画)
2.5
松田優作初主演映画として期待するとその出来栄えにがっかりしてしまうけれど、初々しいまだハードボイルドなキャラクターが完成する前の松田優作のチンピラ演技や佐藤蛾次郎や河原崎建三、山本麟一などといったバイプレーヤーたちのコミカルな演技が堪能できるのでそれなりに味わいはある。ただコメディパートで役者たちの70年代らしい熱量のある演技が空回りしてひたすら笑えず見ていてしんどいのも事実。もっとドラマを工夫すればそれなりの完成度の作品になっていたのに。

主人公とその仲間がダムの立ち退き料をふんだくろうと画策する展開が途中であっさり放棄され、そこからやけくそになってダムの立ち退きを請け負うやくざに金目当てで殴り込むなどストーリーが登場人物同様ハチャメチャ。そこから突然あさま山荘みたいな展開になるのもあれだがあの時代らしいなという感慨も。

アクションが得意な澤田幸弘が監督だけあって乱闘シーンなど結構本格的、格闘をするときもただ単に殴る蹴るではなく近くにある道具を駆使して飽きさせない。でもヒロインの造形や使い方が下手くそなのも監督らしい。

ラストのあれはインパクトあったけれど、あまりにも投げやりすぎないか。正直見終わったあと浮かび上がってくるのはオチよりもバストを揺らして走る丘ナオミ。
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