2015.9.9@DVDレンタル
主演以外があまりに強力なメンバーだと主役が霞んでしまうということがあるが、この映画の主演は岡田准一ということで周りの個性あふれる役者陣に決してのまれることなく、初めから最後まで「主演」で存在し続けた。
それぞれの登場人物に彼ら独自の世界が設定されていて、それぞれのカテゴリーが希薄な「共通部分」でつながっているかと思ったのもつかの間、実は濃密な「和集合」でつながっているように思えた。このことが陰日向に咲くという映画の最大の見どころではないだろうか。
現代文という教科では、「登場人物の心情と情景描写は一致することがある」という。本作はこの原則に、基本的に、反することなく王道を突き進んだ。これは非常に鑑賞者にクリアに映画が見えることになる効果をもたらし、細かなところまで仔細に考え抜かれた映画という印象を与えたことになったのだろう。
