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泥棒成金のadeamのレビュー・感想・評価

泥棒成金(1954年製作の映画)
2.0
ヒッチコックがケーリー・グラントとグレース・ケリーというお気に入りのスター二人を共演させたミステリー風味のラブストーリー。
かつては凄腕の泥棒としてならした主人公が自らの手口に似せた偽者の正体を突き止めようと奔走しながら、富豪の娘と恋に落ちる姿を描いた物語です。
豪華な共演にも関わらず、傑作を連発する絶頂期にあったヒッチコックの50年代のフィルモグラフィの中で地味な存在に甘んじているのは、そのキャスティングとコートダジュールのロケーションへの力の入りように比べて内容が伴っていないことが要因と思えてなりませんでした。
南仏の絶景をとらえる空撮や助手席で観客と共に手に汗握る男を尻目にカーチェイスを繰り広げるグレース・ケリーのすまし顔など見どころがないわけではないのですが、ミステリーとしては薄味でユーモアにも欠けているので起伏の少ないロマンスがダラダラと展開されている印象でした。
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