フィルム映写でみるような映画を、スマホで動画配信サービスで見れる時代とは。
画面の質感がざらざらして見えるのは、フィルムをデジタル化したためでしょうか?
少し下めからの固定のアングルが特徴的。
これが作品の優しさ醸しているような気がする。上から目線ではなく、正座してみている感じ。
最近見た映画でも、小津安二郎の影響を受けたとか、小津安二郎を彷彿させるとかの文言をみた。だから気になっていた、私にはたぶん初の小津安二郎作品。
今聞くとセクハラ発言かもしれないけど、当時は当たり前で、人との繋がりや愛情があっての会話。男尊女卑なようで、女の人も負けてない。皮肉もいうし、命令もする。強っ
見ていてふふっと笑ってしまう。
父親の平山さんが終始穏やかで優しい。
その心情に寄り添ってくれる音楽。
ご近所さんにトマト?を借りに行く。
家庭に冷蔵庫が普及しつつある頃。
昔は味噌だの砂糖だの調味料切らして借りに行くみたいなシーンがあったな。
軍艦行進曲、子供の頃はなんとなくよく聞こえてきたが、今はさっぱり聞かなくなった。岸田今日子さんの敬礼のポーズが可愛かった。戦争の記憶がまだ新しい、高度経済成長期。
岩下志麻さんの花嫁姿の美しいこと。
嫁にやるとかやらんとか、片付くとか、物として扱っていそうな言葉だけど、そこには娘に対する慈しみと、責任と寂しさも隠れている。
嫁にいってしまった夜、はじめて笑顔が消えて暗い表情になった平山。
「女の子はつまらん。育て甲斐のないもんだ。」という言葉と姿に、ギューってなる。大事に大事に育ててきた娘だから。
父の愛と哀愁
東野英治郎さん、私が子供の時からおじいちゃんだったけど、ここでも既におじいちゃんでした。いい味出してた ヒョータン 先生
品のある、侘び寂びを感じられるこの作品。秋刀魚は出てこなかったけど、
美味さと苦味を味わうような傑作でした。