似太郎

ナッシュビルの似太郎のレビュー・感想・評価

ナッシュビル(1975年製作の映画)
4.6
ロバート・アルトマンの映画は皮肉っぽく難解なのにどこか優しくホンワカした雰囲気が好きで、アメリカ映画界のフェリーニと言っていい存在だった。

この映画もやはり登場人物が大量に(総勢24人)出てくる群像劇スタイルで、カントリーの聖地ナッシュビルでの一日の出来事をアルトマンらしく緩慢なタッチでダラダラと描いたゆる〜〜い大作。

主演のカレン・ブラックとネッド・ビーティが心優しきアメリカのカントリー歌手を演じていて「こういうアメリカ白人となら付き合っていいかも…」といった親近感が湧いてくる。田舎者らしく素朴な感じでイイ。

ある意味ベトナム戦争の敗北によって自信を失くしたアメリカ人への応援歌とも言える内容になっているが、社会派監督アルトマンだけに単なるハッピーエンドにはしなかったのが誠に秀逸。

未だに混迷する現代アメリカだが、お偉い政治家にもこういった気骨のある作品をもう一度観てもらいたい。これぞ元祖テイラー・スウィフト的世界である。アメリカの真の誇りは彼らの為にある。トランプ大統領ではなく。🇺🇸🍔
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