お話は大したことは無かったけれど、冒頭の美人コンテストを現代風に演出したり増村保造や中平康に匹敵するくらいハイスピードな語り口で無駄なく物語を運んでいく沢島監督の語り口は今でも面白くて確かに当時有望な新人作家として注目されるわなと感じた。監督のリズムに合わせていつもよりテンポの速い美空ひばりの芝居も見事。
今から二十年くらい前、沢島監督のトークショーつきでこの映画を見に行ったのはいい思い出。何しろ下手な芸人さんよりもトークが上手くて観客は終始笑いっぱなし、しかも途中で誰かがケータイを鳴らすと「あ、急ぎの用事かもしれないから出てください」と粋な対応まで。
