しんたにゆき

どん底のしんたにゆきのネタバレレビュー・内容・結末

どん底(1957年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

女の叫び声がうるさいぞ。悲壮感が全く無いただの感情のボリュームでしかない叫び声。映画館で見なくてよかった。
ぼろぼろの家全体が斜め向いてて、障子と人間が来てる服の継ぎ接ぎ破れかぶれ具合が同じ。それが風に吹き付けられてびらびらになっている。

寓話的すぎるということを少し置いとくとすれば、めずらしくご近所づきあいとか人が実際暮らしていくことについてわりと具体的かつ現実的に描かれている(他のに比べて、というだけではあるけど)そういう映画で、ほぼ全てがその傾いた家の中で起こる。
そこでの営みは生活なんだけど、無秩序で、無秩序であるとなればそれは生活じゃないから皆苦しい。その苦しさをどうするかというとこの場合はその救済が擬似祭にある。それがばかみたいで、でも笑うに笑えない背筋がぞわぞわするような救われ方を見せられる。

自然現象と秩序 という点からOZと比較したらよい。あと苦しみの祭の話もしたい。