この物語の後ろ側にどんなメッセージが隠れているのか、それを探るのがとても楽しくてあっという間に時間がたってった作品。
ある時自分の行動を物語口調で語る「ナレーション」が頭の中で聞こえ始め、統合失調症と診断されてしまった主人公。このナレーションはどうやら、「自分が行動を起こすとき」にやってくる。
いろいろと考えた結果、あるひとりの作家との出会いに結び付く。
最近見た『ルビー・スパークス』の「書かれている側」の話で面白い。『ルビー…』は書いているほうを主人公としたストーリーだけれども、こちらは操られている方を主人公としている為、操る方より面白い。というか、よくたどり着けたわね…という感じ。
彼の存在は本物なのか、それとも作家に一から作られた偽物なのか、ここはハッキリとしなかったが、まあフィクション、ファンタジーなので深く考えないことにする。
彼のストーリーを描く作家は主人公を必ず殺すらしく、この物語の主人公のラストは…？というところが途中からわかりわくわくしてくる。そこまでは「あれ、いかれちゃってる人の話？」とか、いろいろ想像できるのだけどここに落ち着くとは誰も思っていなかっただろう、とても面白い物語の導き方で好き。
コメディ映画なのだろうけれど、ちょっとしたラブロマンス、そしてヒューマンドラマ、ファンタジー映画という分類もできる。
関係性が段々と明らかになってくる感じがとても好き。
いい映画を見たなあというのが最初の感想でした。
