シラノ

ドライブ・アングリー3Dのシラノのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・アングリー3D(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

Netflixで鑑賞。
HuluにもAmazonプライムビデオにもある。(2017年5月20日現在)

ちなみに自分は好きすぎてBlu-rayも買ったw


間違いなくこの映画は、どれだけ世間の評価が低かろうが、自分が生涯観てきた映画の中で一番の最高傑作。

繰り返し観た回数も一番多い。


内容はまぁB級。

しかもかなり変わってる独特の世界観。

ミルトンが一言目を喋るよりも先に、相手の手をショットガンで吹き飛ばす出だしからぶっ飛んでるし、その後のロゴが出るシーンで無駄にクルマを爆発させるシーンも最高。

見るからに怪しいミルトンと監査役。

女とモーテルでパンパンしながら、刺客にショットガンをパンパンする、『シューテムアップ』をパクったバカなシーン。

美人でキレやすく、そのくせなぜか最後まで加勢してくれるパイパー。

どれも最高。


ただし、ポップコーンムービー寄りな大味なアホ映画と思いきや、細かい部分にはそれなりにこだわってて、実は繰り返し観ると色々と気づきがあったりする。


たとえば、最初にミルトンが登場する前のあの橋を渡ってる車のシーンのナレーションの声が、ウィリアム・フィクナーが演じる監査役の声だったりとか。


序盤の監査役がパイパーの勤めてたレストランのオヤジに「おい、そこのデブ」って声かけるシーンで、レストランのオヤジが監査役になめた態度で接しようとしたときに、監査役が「リストにのせるぞ」って言うシーンとか。

あれは二回目以降の鑑賞ならわかるだろうけど、「殺すぞ」って意味ですよねw


カルト教団の車内での近接戦でそれなりに強かったパイパーが、彼氏には2撃でやられたから彼氏は相当強いはずなんだけど、直後にミルトンに2撃であっさりとKOされるシーンもそう。

あそこも監査役とのカーチェイスのシーンで、車内から片手でゴッドキラーを普通の拳銃のように扱えるミルトンと、終盤に監査役から「衝撃が強いから気をつけろ」と言われてて、ちゃんと身構えて使ったにもかかわらず、衝撃でかなりふっ飛ばされたパイパーとの比較から、ミルトンの腕力は既に人間離れしてるのがわかるシーンだったり。


ほかにも監査役の正体がわかってくると、なんでパイパーの彼氏にスーツを触られた後に態度が豹変してふっ飛ばした後に、触られた部分をポンポンと手ではたいたかとか。

あれ多分、人間を見下してるんですよ。

ミルトンと監査役の会話の中でも、ミルトンが「偉そうにしやがって、何様のつもりだ」みたいなことを言ってたし。


モーテルに着く前に、ミルトンがパイパーのクルマを運転してるシーンでの脳内の嫌な画像がパッパッと浮かび上がって切り替わるシーンは、自分の娘がカルト教団にされたことの映像だったり。

しかも娘がカルト教団にされたことの映像を繰り返し無理矢理見せられたのは、ミルトンが地獄で受けてた責め苦の一つだったり。(カルト教団のアジトに乗り込む前に、旧友の家で旧友と話してたシーンによると、地獄の炎で焼かれるよりつらいらしい)


モーテルの飲み屋での注文シーンでの有効期限のきれた古い運転免許証と、携帯電話のことを移動電話と言うミルトンが、おそらく90年代半ばに死んだのも逆算できたりする。


カルト教団の教祖が人間なのか違うのかは微妙でしたけど。

監査役が教会で教団の人間に尋問という名の不意打ちな拷問(笑)をするシーンで、「悪魔たちはそんなこと言ってなかった」って言ってたし。

パイパーの撃ったゴッドキラーが教団の教祖に当たらずに、となりの男に当たったのが、撃った衝撃で的が外れたのか、教祖の言ったとおり「人間に私は倒せない」の言葉通りだったのかが謎。


んで、ラストの演出がまたいい。

ミルトンと監査役の乗った車が橋を通った後ろから、橋が壊れてくのとBGMがやけにマッチしてる。


最初から最後まで最高すぎる、神映画。
シラノ

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