Mayashico

父ありきのMayashicoのレビュー・感想・評価

父ありき(1942年製作の映画)
4.0
修学旅行先の宿の廊下に並べられた黒い傘のショットが不気味すぎる…と思ったら直後に人が死ぬ。怖い…。
笠智衆が倒れるシーンも衝撃的。足の指先の演技がリアルすぎてほんとに動揺した。小津でこんなに直接的に人を動揺させる演出は珍しいのでは?
笠智衆と佐野周二の風呂でのいちゃつきに笑ってたら、直後に笠智衆の説教シーンがあって、東京行きを許してもらえなかった佐野周二のうつむいたカットのあとに、さっきまで楽しそうに入っていた風呂場の無人カットが挿入されるのがなんとも切ない。
小津の父子はいつでも川で釣りをしてる。黒沢清の『蜘蛛の瞳』の釣りをするシーンは(あれは親子じゃなかったけど)撮り方からして、小津から来ていたのだなと今気がついた。
結婚してる人が手を上げるシーンはサイレントの頃のような喜劇調で笑える。
教師を辞めた笠智衆が最初に訪れる地が自分の出身地上田なので親近感がわきました。
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