台詞やモノローグでの説明、登場人物が感情を露わにする様子などほとんど無いにも関わらず、親が子を思う優しさ、子が親に抱く憧憬の念が伝わってくる。深い余韻を残す作品。
過剰な演出がなく全てが計算し尽く…
釣竿を投げる反復から、宿舎へ行くことを告げられた息子の逸脱。流れに身を任せる父と息子の抗い。
トラウマを抱えた主人公と小津映画における主題たる食べることによる時間的距離的移動がそれらを跨ぐモンタ…
「楽しみにして出かけた子どもが、三日目には冷たくなって帰ってくるなんて…それもちゃんと付き添いの教師がついての上でだ。親としては全くたまらんよ」
というセリフなど、随所にすごく反戦を感じた。
た…
主語が大きくて申し訳ないが、日本人の父親というのは母親と比べて懐かれていないパターンが多いと思う。だから大人になっても父と暮らしたがる息子と、それに反対されても反論しない心理があまり理解できなかった…
>>続きを読む父親と息子のやりとりが、わたし自身の父親と弟のやりとりを見ているようだった
子どもが上京してきて嬉しい父親と、それにちゃんと呼応するように父親を訪ねるのを楽しみにしている息子
親と子どもの相思相愛…
ただ一言、この作品美しい。
強くて優しい父を尊敬する子。子の幸せを願う父。
年は取ってもいつまでも変わらない親子の関係。釣りのシーン、石垣の上のシーン、食事のシーン、酒を酌み交わすシーン、最後の…
小津安二郎、戦前最後の作品。
場面転換と時制の省略の仕方が印象的。
この作品に限らない特徴ではあるが。
教室での修学旅行のスケジュール説明から旅行当日の写真撮影までポンと飛ぶ軽妙さもあれば、父が倒…
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