のす

麦秋ののすのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
4.3
今まで見てきた小津作品の中でもかなり好き。打ち寄せる海、風船が飛んでいった空、鯉のぼりがはためく、何気ない風景。そこに暮らす家族の日常。若い笠智衆を見ると彼が幅広い年齢の役を演じられるのがよく分かる。友人とや団欒でのユーモラスな会話が面白い。だけれど、やはり戦争の影も感じられる。小津作品の中での原節子は特に美しく、輝いている。彼女ののびのびと自由に生きる姿は当時の女性の励ましにもなったのかもしれないと思った。どの場面を切り取っても日本の言葉、所作の清らかな部分が際立つ作品。なんだかショートケーキが食べたくなってきた。
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