娘の結婚と家族の"絆"
結婚プレッシャーと家族とはこうあるべき、という規範が今よりもめちゃくちゃある時代の話で、最近は本作の紀子(原節子)をクィアリーディングすることも全然可能だよね、といわれてる
めっちゃそうだなあ〜
紀子がヘップバーンの写真をたくさん集めてるというくだりの言及はもちろん、
結婚することが決まった男に対して、惚れたのかと聞かれてわざわざ何度も否定させて、安心すると思った、と答えるあたりとかすごく丁寧な描写よね
最終的には規範に抗いきることはできないけれど、紀子のキャラも、アヤ(淡島千景)も、いろいろ考えてるのがわかって良いし、
紀子に対して、アヤも含めてだけど、各々が勝手に想像した「紀子の幸せ」を紀子が裏切ってくることに対して「かわいそう」という描写は、とてもあるあるで小津の人間観察力すごいな〜と思うし、なんなら本人の体験も反映されてそう
あとはサイドストーリー的な子供2人もおもろいよね
人間観察すげーとなる
両親の「あんまり欲を出しちゃいかんよ、私たちはこれでもいい方さ」みたいな感じのノリは、うるせー!もっと欲だしてけ?????でも相手の気持ちは尊重したうえでね?みたいな気分になりますね
両親、控えめな優しさの微笑みの中に必要ないほどの遠慮と規範から生まれた無駄な心配なども垣間見え、悪い人ではないけど一緒にいると疲れるみたいな人間像で絶妙よな
『東京物語』みたときもっと真っ直ぐ受け止めた記憶があるけどここ数年でいろいろ考えることが増えたことで小津作品も見方変わってくるな〜おもしろ
そして淡島千景がすき