方眼

麦秋の方眼のレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
4.5
1951年。別格「東京物語」を除けば、嫁に行くとか行かないとか話のなかでは、一番の小津作品。このあとのバリエーションが全て入っている。「晩春」はエッジが効きすぎているし、英語看板も目立って、原節子もエキセントリック。その比較だと、枯れすぎる前の熟成一歩手前、という調和感。戦死した次男の不在、登場人物たちの中心にあり、描かれないが穴になっている。シーン間でドラマを進行させる演出、他作では見られない実験的カメラワークと編集。特に、クライマックス近く、待合茶屋で二人がそろりと歩くカットを正面から捉えて下がる移動カメラ、切り返して接近する移動カメラ、でも映っているのは紀子がいない紀子の家。
方眼

方眼