まめだいふく

イバニエスの激流のまめだいふくのレビュー・感想・評価

イバニエスの激流(1926年製作の映画)
3.0
 完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
 これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。

 とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。

 さて、今回鑑賞した作品は……
 『イバニエスの激流』 LDで鑑賞。
 1926年 アメリカ メロドラマ、少しディザスター   先客4名様

 スペインの村娘レオノーラと幼馴染みのラファエルは恋仲であったが、ラファエルの母が二人の仲を許さずにいた。
 やがてレオノーラは故郷を離れ、持ち前の美声を武器にプリマドンナとして成功し、ラファエルは地元で国会議員の道を歩む。
 離れ離れになった二人だが、お互いのことを忘れることはなかった。そしてある日、二人はついに再開するのだが……。

 相思相愛なのに、どうしても結ばれない男女の悲恋を描くサイレント映画。グレタ・ガルボ演じるヒロインは美声の持ち主ということなのだが、サイレント映画なので、残念ながらその声を聴くことはできない。因みにグレタ・ガルボにとって本作がハリウッド映画デビュー作。

 さてこの映画、中盤あたりでいきなりダムの決壊で町が大洪水に見舞われるというディザスター展開になる。白黒でサイレントの時代、勿論、今のようなCG技術なんてないため、洪水シーンはミニチュアで作った町に水を流すという手法で撮られ、そこにレオノーラを助けに行こうとボートを漕ぐラファエルの姿を縮小して合成している。白黒のせいでディテールが分かりづらいのがかえって幸いしてるのか、それなりにリアルに見えるのが面白い。

 ラストはかなり切ない。変わり果てたラファエルと変わらぬレオノーラ。無理やりにでも二人が一緒になっていたらどうなっていただろうかと思わずにはいられない。
 「人生とはそういうもの 手に入らないものが最高で 手に入ったもので間に合わせる」
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